【まとめ】 小学校研修で学んだ20のこと
主体的・対話的な深い学びを実現するために、授業者が主体となってはならない。授業者が主体となるのは、大学の講義のようなものである。それはいけない。だから、答え(知識)は先生が言わない。当然、先生が教えたことは忘れる。そのため、教師にとって大切なことは教えないこと。だから、学習者に予想などの思考を通して、気づかせる。
そのため、学習活動は教師の発問で計画すると、展開しやすい。たとえば、「事実」を列挙して、「何か気づいた人いない?」などという発問が大切だ。
事実は教えることは構わない。または、「本当はこうなるんだよ」と教えていい。教えてくれる先生、子どもたちは好き。知識を教えて活用させる。
合言葉は、習得→活用→探求(←探求で、気づかせる!)
2. 楽しめる
学習活動をスムーズに行うためには、学習者の気持ちに「楽しい」がなくてはいけない。これは説明するまでもないかもしれない。でも、実は意外と気づかない。教師は学習者に「教えさえすればいい」という考えがあるためだ。楽しい、好きだ、という気持ちにしさえすれば、おのずと、教師の指示も、うまく通るようになる。学習者の挙手や発言が多くなり、授業がにぎやかになる。
★建設的な合意形成→よく分からなくても飽きさせないの大事
★大人も受けて楽しい授業は子供も受けて楽しい。自分の授業を自分が受けて、楽しいか?を頭において、授業をすること!
3. 板書は単語でなく、文で!シンプルに!
黒板に単語だけ書いてあっても、学習者はあとで確認したとき、なんのことかわからない。短くてもよいので、一文で黒板に残す。
黒板をみただけでその日の授業の全体がわかるようにする。だから、絶対にめあて
は書こう!
4. 時間なければカードを使え
思っている以上に板書というものは時間がかかるものである。だからこそ、カード(フラッシュカード)をあらかじめ作っておくのがよい。
5. 推理がよい
授業展開で盛り上がりやすいのは、学習者に推理させることだ。こうすることで、思考力もつく。時には、グループでわいわいさせながら、推理させるのもあり。ホワイトボードに推理させた結果を書かせて、黒板に貼らせるのもよい。
6. あえて触れない
学習者の発言に対して、展開しにくい場合は、授業者はあえて触れないのもよい。流されないことが大切だからだ。「あぁ、そう思ったんだ」程度で、次の話に進むのもよい。あくまで授業の進行役は授業者である。これを心掛けなければ、スムーズな授業展開はできない。
7. 後ろから黒板をみる
黒板で書く字は、案外授業者にとっては見にくいものだ。そのために、机間巡視・机間指導の際に、教室の後ろから、黒板を眺めて、確認することも大切だ。
8. 主導権を握らせるのも学習
授業の主導権を握るのは、主に授業者だ。ここで、どのようなものが主導権にあたるか、というと、「チョーク」だ。チョークを学習者に渡し、「書いてきてごらん」というのも、学習の一つである。あまり発言をしない子にペンを持たせることも◎
9.色つきチョークを使う際の注意
色つきチョークで授業者が黒板に文字を書いた際、学習者も色ペンで文字を書いていることが多い。色ペンは普通、消しゴムで消しにくいことが多い。そのため、色付きチョークで黒板に文字を書く際は、注意が必要である。
10. 「ここは書かなくていいよ!!」
真面目な学習者に言えることだが、普通授業者が黒板に書いたことは、学習者もノートに書いているものである。そのために、書かせる必要のない板書は「書かなくていいからな!」などの声かけが必要である。
11.「これ、分かる人?」は禁句
意外と発問する場面で、聞きがちなことだ。しかし、分かる人?は絶対に言ってはいけない。学習者も空気を読もうとする。分かっていても手を挙げないことも充分に考えられるし、むしろそっちの方が多い。「発表してくれる人?」のほうがよっぽどいい。理由を答えさせたい場合は、「気づいた人、ハイ!(先生は手を挙げながら)じゃあ、理由が言える人は手を握ります。」も有効。
12. 1指示1動作
長々と指示はしない。伝わらないから。
誤)「今日は前の内容に引き続き、教科書44ページをやるので、教科書を開いてくれますか?」
正)「教科書開きます!44ページです!」
誤)「周りの人と確認してみてもらえますか?」
正)「隣の人と確認!」
誤)「立ってください」
正)「立ちます!」
授業は引き算と考える。余分な情報はそぎ落とす。本当に伝えたいことを伝えることに時間をかける。そのためにはやはり、指示は短く端的に。学習障害(LD)のある学習者への支援にも有効である。
ゆっくりな口調ならば、抑揚をつける。早口でもはっきりと大きな声ならば聴きやすい。できれば、ソの音で出すといい。
13. 勇気づけをしなさい
単に「すごいね」だけじゃだめ。「お、分かってくれて、うれしい。ありがとう。」と素直に自分のプラスのメッセージを伝えよう。「前向いてる子、ありがとう」(出来ている子をほめる)
「できた人、手を上げます!」「お、1番、2番」「女の子で1番!」「運動部で1番!」順位が良ければ、勇気がつく。こういう勇気づけの仕方もあり。次は「じゃあ、さっき10番に入ったひとは、30秒後から始めるよ!」というハンデをつけて、できるだけ遅い子でもいい順位になるようにする。
14. 変化のある繰り返し
絶対に学習者に同じ動作は繰り返させない。
例えば、ずっと学習者に発言を求める際に「手をあげる」ことに終始しない。
「気づいた人、手を上げます!」→「全員立ちます!気づいた人、座ります!」→「気づいた人、グーで上げます!」→「(選択肢を3つ程度与えて)1だと思う人は拍手です!2だと思うひとは拍手です!3だと思う人も拍手です...」→
15. 授業は繰り返し練習!
100回ぐらい模擬授業はやるべき。練習すればするほど、言葉の数が削られる。シンプルになり、伝わりやすくなる。いつも授業の準備は100%全力でやろう!
★追試→すごい先生の授業を声でまねして、黒板もマネして行う。
16. とにかく本をたくさん読め!
授業に関する本を「ひじの高さ」まで読むと背景知識がついて、授業に熱が入る。授業力に差がつく!数千冊ぐらい読め!とにかく極度勉強しなさい!ネットの情報は薄い!だめ!薄皮一枚を重ねる努力!自己投資をしなさい!
17.教科書は主たる教材
教科書は最強。教科書をつくる人はめちゃめちゃ考えて作っている。どうやったら、子どもたちがうまく興味が湧くかを考え、作っている。教科書に載ってないことをやりたがるが、実はよくない。載ってないことをやるなら、教科書をベースに。むしろ、教科書に則らない授業は違法。教科書は本当によくできているから、それに任せとけばいい。変な工夫はするな。
18. 発表の声が小さいとき
① クラス全員をその子の授業のまわりにきてもらう。
「聞こえないぞ~笑 みんな○○の周りに集まれ!」
② 先生が発表している子の対角線に行ってわざと離れ、大きな声を出させる。
19. 指示を投げかけたら…
一旦、1つの指示を投げかけたらそれを貫く。指示した先生が、まぁいいか、ってなると、子どもたちもまぁいいか、になる。
20. 子どもたちが好きになる教科は、先生が好きな教科!!まずは先生がその教科を好きでいよう!!